【恋愛工学とは何か】ぼくは愛を証明しようと思う 徹底解説 その12
前回まで
非モテマインドのまま、無為な生活を過ごすわたなべ。行きつけのカフェの店員に話しかけられるも、非モテがバレることを恐れ、そのカフェへも行くことをやめてしまう。
恋愛工学 ぼく愛 徹底解説 12
わたなべがこっぴどく振られたことを啓太に報告すると、そのその慰めとして啓太は六本木のキャバクラで久しぶりに飲もうと提案してくる。
啓太の結婚式の二次会で会った麻衣子とは一切連絡は取っていない。
そして、とある土曜日の9時。わたなべは啓太と六本木ヒルズのバーで待ち合わせをする。
啓太と合流し、そのバーで軽くビールを飲むわたなべたち。
ふと後ろを見ると、スタンディングテーブルにものすごい美女が3人いるのがわかった。
今のわたなべには到底手に入れられないような高値の花だ。
「どんなやつらが、ああいう女とつきあうんだろうな?」
非モテのわたなべには、遠目から彼女たちをチラチラ見ることしかできなかった。
すると、とある一人の男がバーに入ってくる。
派手なTシャツの上に、黒のジャケットを羽織ったその男は、何か不思議な光に包まれているようだった。
その男は先ほどの美女3人組の方へスタスタと歩いていき、気がつけば楽しそうに話始めた。
その男と彼女たちは友達なのだろうか?気になったわたなべはそっと近くに寄り耳を澄ます。
会話が一瞬途絶えたその時、その男はおもむろにその3人の中でも一番の美女とキスをし始めた!
この男は一体何者なんだろう。この美女の恋人かなにか何だろうか。そんな思いがわたなべの頭をよぎる。
すると、その男はエスカレートしてきたキスを一旦やめ、彼女の手を払いのけて彼女に言った。
「これ以上先は別料金だよ」
彼女は嬉しそうに笑う。
「これから会議で行かなきゃいけないんだ。どうしたらまた会えるかな?」
「だったら電話して」彼女は名刺みたいなものをその男に渡している。
「オッケー。明日の10時に電話する」
「待ってるわ」
このやり取りをみて、わたなべはその男と美女が初対面だということに気が付いた。
初対面なのに15分もしないうちにキスをして、そのあと連絡先まで交換するなんて。
この男は一体何者なんだろう。
そう思った次の瞬間、彼と目が合ったわたなべは心臓が止まりそうになるほど驚いた。
その男はわたなべの仕事のクライアントの永沢圭一氏だったのだ。
バーを出て行く永沢氏をわたなべは呼び止め話しかける。
「な、永沢さんですよね?」
「ああ、わたなべ君か。恥ずかしいところを見られちゃったね」
今度飲みに行く約束を取り付けた二人はその日はその場で別れたのだった。
恋愛工学生の視点
わたなべのような非モテがたまに羽目を外すためにすることといえば、男友達とキャバクラに行くぐらいのようなものだ。
男同士でわざわざ待ち合わせをしてキャバクラへ行くなんて、まさに自分たちは非モテですと言っているようなもの。
バーに美女がいたとしても、それを遠目からすけべな目で見るしかできないのが非モテ男子。
その反面、いとも簡単に美女に話しかけ、キスをして、連絡先までゲットする永沢氏。
「あの女の子に話しかけようかな。どうしようかな。」
とモジモジする姿は、女性は完全に捕捉している。
それ以前に非モテオーラ全開の男は視界にも入らないのだが。
バーに入った瞬間、何の躊躇もなく美女たちに話しかける永沢氏はさすがと言えよう。
恋愛工学内のルールのうちの一つに、「3秒ルール」というものがある。
「3秒ルール」・・・その場にいる女性に3秒以内に話しかけるルール
女性に対してはアプローチする時は、このルール通りに行動しないといけない。
なぜなら、3秒以上経過すると、女性から見たらその男は
「女に話しかけることを怖がっている非モテ男子」
となってしまう恐れがあるからだ。
こうしたルールを自然とこなし、簡単に美女と仲良くなる永沢氏と、それを偶然見つけたわたなべまさき。
この日をきっかけに、わたなべと恋愛工学が交わり始める。
次回に続く