【恋愛工学とは何か】ぼくは愛を証明しようと思う 徹底解説 その13
前回まで
啓太とキャバクラに行く前にいったバーで、わたなべは仕事で一緒になった永沢圭一と偶然出会う。だが、そこであった永沢は仕事で会った時の雰囲気とは違い、美女を軽々とナンパするプレイボーイであった・・・。
恋愛工学 ぼく愛 徹底解説 その13
永沢圭一との出会い、彼が美女と難なくキスをして連絡先を交換したことがどうしても忘れられないわたなべ。
その後に行ったキャバクラも楽しめず、次の日になっても前の日のバーでの永沢圭一との出会いが忘れられず、朝食もそこそこに誰もいない仕事場へ足早に向かう。
デスクの中から永沢圭一の名刺を取り出し、そこにあるメールアドレスにメールを送る。
昨日はあんなところで再会できてとてもうれしかったです。
今度こそ本当に飲みにいきたいです。
お忙しいとは思いますが、お返事期待しております。
すぐに永沢圭一から返信がある。
もちろん、約束は覚えているよ。
明後日の火曜日の夜は空いているかな?
間髪入れずに返信するわたなべ。こうして二人は火曜日に六本木の焼き鳥屋で会う約束となった。
そして火曜日。期待と不安でわたなべは落ち着かなかった。
19時半に永沢が店に現れ、二人は飲みながら仕事の話を始める。
そこから、先日のバーでの出来事の話題となる。
「じつは、あのときは大好きだった彼女と別れた直後で、とても大変だったんですよ。僕が永沢さんみたいにモテる男だったら、こんなことで苦労しないんでしょうけどね」
すると永沢はこう言う。
「なんだ、女にモテたいのか?」
子供のように頷くわたなべ。
わたなべにとって今回の飲みの席の真の目的は、永沢にモテる方法を教えてもらうことだった。そして、あわよくば永沢に合コンなんかに呼んでもらって、女を紹介して欲しかった。
しかし、そんなことを面と向かっていきなりお願いする訳にもいかない。
なんとか遠回しに、わたなべは女の子にモテて彼女が欲しいことを永沢に伝える。
「(わたなべくんは)おつきあいして、何がしたいの?」
「いっしょにご飯を食べたり、旅行に行ったり。もちろん、セ、セックスもしたいです。でも、それがすべてじゃありません」
わたなべがこの一言を言うと、永沢の雰囲気が一変する。
着けていたメガネをケースにしまい、あの夜バーであった雰囲気になり永沢は言った。
「お前、本当はセックスがしたくて、したくてしょうがないんじゃないのか?」
・・・
恋愛工学生の視点
非モテに陥った男は、どうすればモテるようになるのかがわからない。
楽してモテるようになりたいが、自分は苦労したくないし恥もかきたくない。
現時点ですでにモテている人になんとかくっついて、あわよくばおこぼれをもらおうとする。
そういった姿勢、スタンスが非モテの原因だということを理解していない。
今回わたなべが永沢と飲みに行く打診をしたのも、まさにこの通りだ。
モテる方法を教えてもらい、あわよくば合コンに呼んでもらおうという魂胆。
こういう非モテ男性は、実際にモテる方法を教えてもやらない。何かと言い訳を考えて、何も行動しない。
百歩譲って合コンへ呼んだとしても、何もできずに終わるだろうし、あろうことか「女性陣が可愛くなかった」と言い出す可能性も十分にある。
非モテは身も心もすべてが非モテなのだ。
だが、モテる男にはそれがすべてお見通し。本音を隠してカッコいい言葉ばかり言うわたなべの奥底にある下心を、永沢は見抜いていたのだ。
非モテは自分が非モテであると言う自覚症状がない場合が多い。
非モテを克服するには、まずは自分が非モテだと言うことを真っ向から受け止めて認識することから始めないといけないのだ。
こうして非モテの本音(セックスがしたくてしょうがない)を言い当てられたわたなべ。
これから永沢の口からどんなアドバイスが出てくるのだろうか?
いよいよ恋愛工学の姿が見え始めてくる・・・。
次回へ続く