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【恋愛工学とは何か】ぼくは愛を証明しようと思う 徹底解説 その22
前回まで
タイムコンストレイントメソッドを使い、真希と理香子と20分間だけのグループデートをしたわたなべと永沢。宣言通り、彼女らと連絡先を交換し20分で切り上げて次の場所へと移動する。わたなべの中には自信が出始めていた。
恋愛工学 ぼく愛 徹底解説 その22
真希と理香子と別れた後、自信をつけ始めたわたなべは次に話しかける街コン参加者の女性を探し始めた。
「ちゃんと女と会話できるじゃないか」
「僕も童貞じゃないですから、それぐらいできますよ。次も、僕が女の子のふたり組に話しかけて、いっしょに飲む話をつけてくるんで、見ていて下さい」
向こうの方に同じリストバンドを付けた女性二人組をわたなべが見つける。
声をかける前に、永沢がわたなべを呼び止め、これから何度も使うであろう恋愛工学テクノロジー【タイムコンストレイントメソッド】について詳しく説明した。
タイムコンストレイントメソッド とは?
・女性に話かける時、嘘でもいいのでこちらが立ち去る時間をなるべく早く相手に伝え、これから始まる会話に男性から制限時間をつける
例)これからちょっと用事があって20分しかないんだけど
5時から仕事があって、もう行かないといけないんだけど
・時間制限を設けることによって、知らない男からしつこく付きまとわられるかもしれないと言う女性の不安を取り除く効果がある
・時間制限を設けることによってこちらが忙しい男を演出すると、この人は重要人物だったり、人気者何だと、相手の女性に錯覚させる効果もある
「ナンパは科学なんですね」
わたなべは感心しながら言った。永沢はそれを聞いて頷く。
先ほど見つけた女性にわたなべが駆け寄り話しかける。真希と理香子ほどではないが十分可愛い女の子ふたりだ。
「すいません、街コン参加者ですよね?僕たちこれから仕事でもうすぐ帰らないといけないんですけど、もしよかったら、ちょっといっしょに飲んだりしませんか?」
「いいですよ」
「よかった!」
あっさりOKをもらったことに対し、わたなべは思わず喜びの声をあげてしまった。
こうして4人は近くのインド料理屋に入り、自己紹介を経ていっしょに飲み始めた。
白いブラウスの子が歯科衛生士の理恵。ベージュのワンピースの子が化粧品会社の事務をしている真由美。ふたりは中学の同級生のようだった。
わたなべと永沢の馴れ初めなどを話していると、街コン一次会が終了し、これから二次会があると言う告知を店舗スタッフから知らされる。
わたなべが二次会に行くかどうかを理恵と真由美に聞くと、彼女らは迷っていた。
「すいません、俺たちこれから仕事があるんでいかないといけないんです」
彼女らといっしょに二次会に行きたいと密かに思っていたわたなべはがっかりしたが、ここは恋愛工学を学ぶためにも永沢に従わなければいけなかった。
4人で携帯を取り出し、おきまりの作業である連絡先交換をした。
街コン参加者同士ならば、話をして連絡先を交換する一連の流れが、永沢に頼らなくてもできるようになっていたわたなべであった。
恋愛工学生の視点
前回の真希と理香子の時と同様、今回のふたり組みにもタイムコンストレイントメソッドは難なくワークする。
いかに女性は知らない男から付きまとわれることに不安と恐怖を感じているか、が窺い知れる。
街コン二次会への参加を拒否した永沢さんもさすがだ。今回の街コンの参加は、出会いのトライアスロンの一環。これからまだまだ女性と出会う機会を作っていかなければならない。
そうでなくても、自信をつけ始めたわたなべが理恵と真由美と二次会に行きたそうな表情をしていたのが永沢さん的にはOUTだったのだろう。
もし二次会に行きたがっている気持ちを女性ふたりにバレたら、そのあとのイニシアチブは彼女らの手に渡ってしまうだろう。
そこには男性が望む結果は訪れず、彼女たちのいいように振り回されて何も得ずに会が終了してしまっていたかもしれない。
こちらの物欲しそうな態度や表情は、絶対に女性に悟られてはいけないのだ。
わたなべの一瞬の表情も見逃さなかった永沢さん。恋愛工学を習得すれば、こういったことにも気がつくことができるようになる。
街コンを終え、次なる出会いの場はどんなところなのか。恋愛工学のテクノロジーはまだ全てを見せてはいない。
次回へ続く
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