【恋愛工学とは何か】ぼくは愛を証明しようと思う 徹底解説 その24
前回まで
街コンが終了し、銀座のナンパバーまでの道すがらわたなべは自分の修正点を永沢から聞く。
1・連絡先を交換したらすぐにメッセージを送る
2・女性の目を見て話す
この2点を頭に叩き込み、二人は次なる目的地へ向かうのであった。
恋愛工学 ぼく愛 徹底解説 その24
銀座のナンパバーに向かいながら、その店までの道を教えてもらう口実で女の子に声をかけろと永沢がわたなべに命令する。
「さっそく道を聞くオープナーを使おう」
「オープナー?」
オープナーとは、見知らぬ女性に初めて声をかけるときに使うルーティーンのこと。会話をオープンさせるからオープナーという。永沢はそう説明した。
これから向かうバーは「300円バー」という店らしい。ビールもカクテルも300円だから300円バーというらしく、この周辺では何軒かあってナンパスポットになっているようだ。
緊張しながらも、わたなべはさっそく道行く女性に声をかける。
「あのー、すいません」
「・・・」
どの女性にもとことん無視されるわたなべ。段々と足がすくんで来て、わたなべはまた地蔵のように固まってしまった。
だが、何度も女性に声をかけて無視されていると、わたなべには段々とわかってくるものがあった。
それは、何も失っていないことだ。
ちょうど映画館の前に差し掛かったところに、二人組の女性がいた。すかさずわたなべが300円バーの場所を聞くも返答は「わかりません」だった。
すると永沢が会話に入ってくる。
「二人は何か映画でも見て来たの?」
「はい」
「どの映画を見たんですか?」
とわたなべが会話に加わろうとすると、答えを言おうとした女性たちを永沢が制する。
「俺は人の心が読めるんだ・・・。〇〇だろ?(ディズニー最新作)」
「えーどうしてわかったの?」
なぜか彼女たちが観た映画を当てた永沢はすっかり彼女たちと和んでいた。
会話が盛り上がり、互いの名前も教えあったところで、永沢がタイムコンストレイントメソッドを繰り出し、とにかく300円バーに行かなきゃならないと会話を終了させようとする。
残念そうな彼女たちを見て、すかさずわたなべが連絡先交換を打診する。もちろんすんなりOKが出る。
「これって、ひょっとしてナンパだったの?」
片方の女の子がそう言ったくらい、自然な流れで連絡先を交換できてしまったのはわたなべも驚いていた。
道で見ず知らずの女の子に話しかけて連絡先を交換できたのは、わたなべにとって生まれて初めてのことだった。
永沢と一緒にいると、人生で初めての出来事が連続して起こるのであった。
恋愛工学生の視点
見ず知らずの女性に声をかけるのは恥ずかしいし、なぜか恐怖を感じる。
だが、恋愛工学としては、試行回数を上げるためにもストナンをできるようになるのは至上命題だった。
ナンパをするときの声掛けの方法(オープナー)は多々あり、今回以降のぼくは愛を証明しようと思う徹底解説の中でも出てくるのでここでは差し控えるが、結局のところはなんでもいいのだ。
永沢が映画館の前で女の子二人組が見た映画を見事に当てたシーンだが、冷静に考えれば若い女の子が映画を観たと言ったら、大体はその時に公開しているディズニー映画があればそれだろう。
だが、それをさも人の心を読めるマジックのように演出し、一気に女の子の興味を引いてしまう永沢さんと恋愛工学の効果はさすがと言ったところか。
きっちりタイムコンストレイントメソッドを使い、連絡先交換に対するOKを難なく引き出すことに成功した永沢さんとわたなべ。
小さな成功体験ではあるが、わたなべにとってはこの成功は非常に彼の心に残ったことだろう。
こうして恋愛工学を通じて、人間的にも成長するわたなべの今後の活躍に期待したいところである。
次回へ続く
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