【恋愛工学とは何か】ぼくは愛を証明しようと思う 徹底解説 その27
前回まで
恋愛工学の数々のテクニックを用いながら、銀座の300円バーまでのストナンでついに自分の力で連絡先を交換できたわたなべ。永沢からは勝利のハイタッチと言う祝福を受ける。そして、ついにわたなべと永沢は銀座のナンパバーへとたどり着くのであった。
恋愛工学 ぼく愛 徹底解説 その27
ついに銀座の300円バー、通称ナンパバーまでたどり着いた永沢とわたなべ。
その店は地下にあり、店内に入るとまだ7時だと言うのに多くの客で賑わっていた、いや、ごった返していた。
店内では所狭しと男が女に声をかけていて、よく見ると女に声をかけている男の後ろにさらに数人の男が列を作って待っていた。声をかける順番待ちの列だったのだ。
バーカウンターの列に並びながら、わたなべはみんながみんなナンパをしている雰囲気の場所であれば自分も難なくナンパできますよと永沢に言った。
「これなら地蔵にならずにすみますよ」
「出ようか」
「えっ」
「店内に女は何人いる?」
「えっと、1・・・2・・・3、10人ちょっとですか」
「男は?」
「・・・数えきれないです」
「それが答えだ」
こんな場所でナンパをするのは時間の無駄だと吐き捨てるように言い放ち、永沢は店を出てタクシーに乗り込む。「六本木ヒルズまで」
タクシーの中で、永沢はわたなべに恋愛工学の講義を始めた。
・ナンパというのは女の子に声をかけ、意気投合して一緒に飲みに行ったり仲良くなったりするのが一連の流れ
だが、それ以外に男たちはもう一つのゲームをプレイしているという。
それはメタゲーム。
つまり、どのような環境や状況でナンパをするのかをナンパをする前から探しておき、自分に有利にゲームがプレイできるようにしておくこと、これがメタゲーム。
永沢はポケモンカードのゲーム大会を例に出しながらわたなべに説明した。
あの銀座の300円バーでナンパをしようとしても、男の数が多すぎて自分達に有利な状況を作ることができないのだ。つまり、勝負をする前からメタゲームで負けていることになる。
それでもあのバーに男が押し寄せるのは、みんながナンパしていいですよ、という雰囲気の中、さらに実際にナンパをしているのを確認して初めてナンパをしようと考える男がたくさんいるからだという。
その場所で勝負をしてもすでに競争は激化しすぎて、女の子と最終的にセックスなんてできやしない。
「本当の恋愛プレイヤーは、みんながナンパしないような場所でナンパするんだ」
タクシーはそろそろ六本木ヒルズに到着しようとしていた。
恋愛工学生の視点
銀座のナンパバーに行ったこの日は確か土曜日。
実際に管理人は金曜日の夜にこのバーに行ったことがあるのだが(このバーは実在します)、もう人が通るのもままならないほど人で溢れていた。しかも、小説通り、男性:女性の比率は9:1か8:2くらい。まさに永沢さんが言う通り、ナンパをしていいですよという免罪符を得た男性たちがこぞってナンパをしようとしていた。
この状況で女の子たちは男性をどのように見るだろうか。実際に、このバーではドリンクや軽食の値段も安いため、女の子たちは財布を出さずとも男たちが奢ってくれるだろう。
だが、心の中では永沢さんと同じように「ここでしか勇気を出して女性に声をかけられない心の弱いメタゲーム敗北者」と見ているに違いない。
この場所にいれば、女の子たちは男からチヤホヤされるので気分はいいのかもしれないが、内心では「本当にモテるいい男はこう言う場所にはいないんだよなぁ」と思っているのだ。
恋愛工学のモテ=ヒットレシオ×試行回数にもあるように、自分の力でどんな場所でも試行回数を増やせる男が真の恋愛プレイヤーである。
銀座の300円バーに一瞬で見切りをつけた永沢さんはさすがといったところか。
今後恋愛工学を学んでいこうとする恋愛工学初心者は、ぜひこのメタゲームの考え方を覚えておくのがいいだろう。
次回へ続く
この記事へのコメントはありません。