【恋愛工学とは何か】ぼくは愛を証明しようと思う 徹底解説 その32
前回まで
六本木のバーでナンパした女の子に恋愛工学テクニック【5つの質問ルーティン】を繰り出しながら、難なく連絡先を交換したわたなべと永沢。そのバーを出て、再び六本木の街でナンパを開始するのであった。
恋愛工学 ぼく愛 徹底解説 その32
六本木のバーで出会った二人とはかなりいい感じで盛り上がっていた。だが、そこでさらに時間をかけて二人の女の子との関係を築くよりは、もっと多くの女の子と出会う確率の高い方、つまりナンパを引き続き継続することを選んだ永沢とわたなべ。
続いてドラッグストアの前にいる若い二人組みの女の子を見て、永沢がわたなべに言う。
「さあ、わたなべのオープナーを見せてもらおうか」
早速【こんばんはオープナー】を使い、二人に話しかけようとするわたなべだが、この女の子二人はわたなべを無視する。
もう一度こんばんはと挨拶するも、金髪の女の子が強い口調でわたなべに言う。
「私たち、あんたたちみたいなおっさんにナンパなんかされないのよ。あっち行ってよ」
ここまで罵られたのは初めてであったわたなべは驚くと同時に、これまでの出会いのトライアスロンで少しづつ積み重ねてきた自信が一気に音を立てて崩れ落ちるような感覚に陥った。
「すいません」
わたなべが弱々しく言ってその場を立ち去ろうとした時、永沢が話し始める。
「いま、君のことが少しわかった。しゃべる前に、瞳が下を向いてから、左に逸れた」
「それで?」
金髪の女の子はうざったそうに言う。
「君は運動感覚的な人だってことだ」
「そして、もっと別のこともわかった。多分君も気がついてないこと。でも、その前にそれが合っているのかどうか確かめたい。5秒で終わる簡単なテストだ」
そういって永沢は金髪の女の子に何か数字を一つ思い浮かべてくれと指示する。
「俺の目を見て・・・7だろ?」
「えー、なんでわかったの?」
「えっ?本当?マジ?」
隣の茶髪の女の子もびっくりしている。
それから永沢は、金髪の女の子が最近大切な人と別れたことも言い当てる。金髪と茶髪の女の子はただただ驚くほかなかった。そして、金髪の女の子が、強気なふりしているけど本当は繊細で傷つきやすい性格だと言うことも当てる。金髪は初めの威勢はなく、素直に永沢の話を聞いていた。
「俺たち待ち合わせで、もう行かないといけない」
すかさずタイムコンストレイントメソッドを使う永沢。
今までお酒を飲んで、これから帰ろうかどうか考えていた女の子たちは、永沢が帰ったほうがいいと言うと素直にそれに応じる返答をした。
「あと、これから君に素敵なことが起こるはずだ」
と言い残し、そこから立ち去ろうとする永沢。女の子はそのことが気になって仕方がない。
「どうすれば教えてくれる?」
「俺たち本当に行かないと」
二人の女の子の前から立ち去ると、後ろの方から声がかかった。
「ねぇ、連絡先教えてよ」
金髪の女の子の声だった。
恋愛工学生の視点
初めこそ気丈な態度でわたなべの声かけを一蹴した金髪の女の子だったが、永沢がことごとく金髪の女の子の考えや性格を言い当てることで、その子は一気に永沢さんに興味を持ち始める。
数字を当てるルーティンは通称【数字当てルーティン】といい、恋愛工学テクニックのうちの一つである。まるで手品のようなルーティンだが、カラクリはいたってカンタンなもの。
こちらの記事に詳しく書いてあるので、数字当てルーティンのカラクリを引用させていただこう。
恋愛工学バイブルぼく愛永沢さんのコールド・リーディングを解説してみた
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「何か数字をひとつパッと思い浮かべてくれ」 (中略)「いいよ」と金髪の子が言ったとき、彼女の瞳が下を向いてから左に逸れた。(中略)
「7だろ?」
「え~!」さっきまで僕たちを蔑んでいた金髪の娘は口に手を当てて、心底驚いている。
「なんでわかったの?」
今度は金髪ギャルに数字を選ばせ、選んだ数字を言い当ててみせた。
これあてずっぽうのようで、実は、ほとんどの人は「7」を選んでしまう。
実際に統計でも「7」を選ぶ人が多い。
これはおそらく、ほとんどの人が、普段の日常生活のなかで、ラッキーセブンやセブンイレブンなど「7」を目にすることが多いため、無意識的に刷り込まれているためと思われる。
また、端っこ「0、1、9」は選びづらい、死を連想させる「4」は選びづらいなどのイメージも世間一般にはあるようだ。
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これからもわかるように、普段の何気ない人間の心理や行動を深く読み取り、それをさも自分が読み取ったかのごとく指摘するのが、恋愛工学のテクニック。
だが、いきなり知らない女性に話しかけて、このルーティンをやれと言われてもなかなかできることではない。そもそも見知らぬ女性に声をかけること自体が非常にハードルが高いことなのである。
こういった恋愛工学のテクニックをまるで呼吸をするように自然に繰り出せる永沢さんはさすがだ。恋愛工学は人間の心理や行動に基づいたテクニックやルーティンがあるからこそ、多くの人が興味を引かれるのだろう。
今後の展開がますます楽しみである。
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